残したい

土砂降りで大変だった
出展の次の日

カメラマンのたまちゃんと
あるお店に撮影許可を
お願いしに出かけた

私が生まれた時から
身近にあるお店であり
服づくりの材料を買いに行くお店

今は材料もネットで買えるし
商業施設に入っている手芸屋さんも
あるけれど

私は時が止まったような感覚になる
このお店がすごく好きで
材料を買いに行くたびに
こっそりと
“いつか洋品店の撮影がしたい”
と思ってた

たまちゃんにここ素敵だよ
と事前に教えてあり

許可のお願いと
撮れるか店内を見てもらった

たまちゃんはほんとにすごい人で
私の撮りたい雰囲気感を
少ない言葉でもわかってくれて
熱心に一緒になって
ここで撮りたいんです、と
お願いしてくれた

行くたびに”あら、おねいさんいらっしゃい”
とにこやかに言ってくれるおかあさん
急なお話で困らせてしまったけれど
ゆるしてもらえた

嬉しい…
ここがどんなに素敵かってこと
わたしの服たちと写真に残せること
じわっと熱い気持ちが
溢れてきてちょっと泣きそうになった

決まれば
あとは素敵な服をつくること
がんばります。
.
.
そのあと
きらきら輝く秋うららの霞川へ
たまちゃんとお散歩して
枝を拾って帰ってきた

短い時間だったけど
心に残る1日だったな

中川智美
2024.11.5 目が覚めてしまった深夜